事務所の棚に、登録の紙が1枚ある。BIR から受け取った Form 2303、登録証明書だ。会社の名前と住所の下に、この会社が納める税目が並んでいる。うちは5行ある。その5行が、何をいつ出すかを決めている。
KAZENA Books には、その月に出す申告を一覧で見せる画面がある。私がその一覧を組んだとき、何を出すかは帳簿から決めた。源泉の記録があれば源泉の申告が出る。売上の記録があれば売上の申告が出る。理屈は通っていると思った。取引が無い税目の申告を出す理由が、そのときは思いつかなかった。
8月の一覧には、申告が3つ出ていた。紙には5行ある。消えていた2つのうち1つは、8月にその取引が1件も無かったからだ。事務所はその月、専門家に報酬を払っていない。差し引く税が無いので記録が無く、記録が無いので申告が一覧に出なかった。
登録している税目は、取引が無い月にも申告を出す。中身が 0 でも出す。これは会計士の方から聞いて初めて知ったことで、知ったのは期限から11日たった日だった。四半期の一覧を見てもらっているときに、8月のあの申告はどうなっていますかと聞かれた。
遅れた申告は、その日に出した。罰金と加算で 2,310ペソ払った。金額としては小さい。応えたのは、こちらは何も間違えていないつもりだった、ということのほうだ。帳簿は合っていた。払うべき税は 0 だった。出していないという事実だけが残っていて、それはソフトが「出すものはありません」と画面に表示した結果だった。
もう一方向の間違いも、同じ画面にあった。製品に最初から入っている税目の表には、うちの紙に無い税目も並んでいる。9月の一覧に、うちが登録していない税目の申告が1つ出ていた。帳簿にそれらしい記録があったからだ。出さなくてよいものが出ていて、出すものが消えている。一覧は両方向に間違えていた。
間違いの芯は1つだと思っている。義務を帳簿から逆算したことだ。帳簿は、起きたことを書いたものだ。義務は、起きるより前に紙の上で決まっている。この2つは別の順番で動いていて、後ろから前は決められない。
直しでは、一覧の出どころを帳簿から紙に移した。紙に並んでいる税目と、それぞれの提出の頻度を、人が最初に1回だけ入力する。入力された税目は、取引が 0 の月も一覧に出る。入力されていない税目は、帳簿に何があっても出ない。帳簿は金額を決める。義務の数を決めるのは紙のほうだ。
ここで1つ読み違えた。紙は変わる。税目を足すときも、やめるときも、紙を書き替えて受け取り直す。私は入力を「今の5行」として持たせていて、過去の月もその5行で判定していた。つまり、7月の一覧を、7月には無かった行で見ていた。
入力に、いつからの紙かという日付を足した。行ごとに持つ。過去の月を開くと、その月に有効だった行で一覧が組まれる。これを入れたあと、1月からの月を全部開き直して、一覧の数が紙と合うかを人が目で確かめた。9か月で、合わないものが2つ出た。どちらも日付の入れ方がこちらの誤りだった。
一覧の画面には、申告の名前の隣に、それが紙の何行目から来ているかを出した。文言は短い。登録証明書に基づく、という言い方にして、紙を見れば同じものが同じ順で並んでいる状態にした。どこから来た義務なのかが画面から読めないと、増えても減っても、理由を人が確かめられない。
そのあとの 2か月で、一覧から消えた申告は 0 件になった。中身が 0 の申告は 3件出て、3件とも期限の中で出した。うちが登録していない税目は、画面に出てこない。
1日で終わると見積もって、6日かかった。一覧の出どころを替える処理は半日だ。残りは、日付を行ごとに持たせ直し、9か月を開き直し、遅れた1つの始末をつける時間だった。見積もりを外す理由はいつも同じで、直すのは処理で、合わせるのは過去だということを、毎回忘れている。
ひとつ断っておく。私は税理士ではない。これは自社の作業の記録であって、登録している税目や提出の判断は、必ず専門家に確認してほしい。