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2026年9月19日

給与は1つの計算ではなく、4つの計算だった

Mae(Inspo Nexus Global 代表)

月の掛金の額と、半月ごとに2回回した給与計算の合計が、合わなかった。差は 2センタボだった。金額としては何の意味もない差で、その日は見なかったことにした。翌朝もまだ頭に残っていたので、そこから引っぱりはじめた。

うちの給与は半月ごとだ。15日と月末の2回払う。フィリピンで給与を計算するということは、SSS・PhilHealth・Pag-IBIG・BIR の4つを同時に満たすということで、この4つは締め日も、丸め方も、納付の期日も共有していない。

掘ってみて最初に出てきたのは、構造のほうの話だった。4つのうち3つは月の量だ。月の額が先に決まり、それを支払いに割り振る。本当に支払いごとの量なのは BIR の源泉だけで、これは払うたびに表を引く。うちのソフトはその区別を持っていなかった。全部を支払いごとに計算していた。

高くついたのは SSS だった。掛金は月の給与から表を引いて決まるのに、ソフトは半月分の金額で表を引いていた。月給が境目の近くにいる従業員は、その半分が1つ下のランクに落ちる。その月の掛金が 375ペソ足りなくなる。七人のテスト会社で、二人がこれに当たっていた。

怖いのは、給与明細のどこを見ても変に見えないことだ。ランクは正しく引かれていて、率も正しく、紙の上の計算も正しい。間違っているのは月のほうで、月は誰の画面にも出ていない。

そこで、月を先に決めてから支払いに割る形に組み直した。今度は PhilHealth が合わなくなった。ある従業員の月額保険料は 543.75ペソで、その半分は 271.875ペソになる。センタボより下は、給与明細に出せない。

私は両方を 271.88ペソに丸めて先に進んだ。月の合計は 543.76ペソになる。制度が決めている月額より 1センタボ多い額が、二人分出た。週のはじめに追いかけていた 2センタボが戻ってきたわけだが、今度は私が自分で置いた。この変更は 10分で終わった。10分で終わるから考えずにやった。1センタボは、決めるほどのことではないと思っていた。

1センタボは決めるほどのことだった。納付はその月の表と突き合わせられる。「ほぼ合っている」という状態は存在しない。1センタボずれたファイルは、単に戻ってくるファイルだ。しかも帳簿には 543.76ペソが載るので、その月から給与台帳と元帳が別の数字を持つ。

決めた規則はこうなった。月額が本物で、半月の2つはその割り振りにすぎない。端数は後ろの回に寄せる。543.75ペソは 271.87ペソと 271.88ペソになり、足すと必ず月額に戻る。どちらの回に寄せるかは好みの問題で、決めないことだけが、毎月ちがう答えを生む。

最後に BIR が動いた。源泉は支払いごとに表を引くので、控除を 1センタボ動かすと、その回が表の1つ下の行に落ちることがある。32回のテストで、1回だけ起きた。その回の源泉税が 68.75ペソ低くなり、月の合計が年間の計算と合わなくなった。控除の割り振りが決まるまで、源泉は決まらない。順番の問題だった。

期日もそろっていない。同じ月の給与から出ていく納付が、別々の日に、別々の様式で出ていく。ソフトが持つべきだったのは締め日ではなく暦で、いまは4つ分の暦を持っている。

4日で終わると見積もって、11日かかった。増えた分のほとんどは計算の手直しではなく、どの数字が本物かを決める時間だった。給与は1つの計算に4つの出力があるのではない。1つの入力を共有する4つの計算で、本物は月のほうにある。

最後に断っておく。私は税理士ではない。ここに書いたのは自社の作業の記録であって、掛金や源泉の判断は必ず専門家に確認してほしい。

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