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2026年10月18日

雇用の終わりは、印ではなく日付で持つべきだった

Mae(Inspo Nexus Global 代表)

月の拠出の一覧を見て、事業主の方から電話が来た。同じ月の給与の一覧には八人が並んでいるのに、拠出の一覧には十人いる、と。多い二人は、どちらも、もう働いていない人だった。給与の計算からは消えていて、拠出の計算には残っていた。金額はどれも計算どおりで、間違っていたのは、そこに名前があること自体だった。

制度の形を先に書く。SSS、PhilHealth、Pag-IBIG の拠出は月ごとで、事業主と本人がそれぞれ負担する。本人の負担は給与から引いて、事業主の負担を足して、まとめて納める。雇用が終われば、その人の分は止まる。ただし止めるのは事業主の側の手続きで、誰かが気づいて止めるまで、制度の側から勝手に止まることはない。

我々のソフトは、その「雇用が終わった」を印で持っていた。人の画面に在籍中かどうかの切り替えが1つあって、外すと給与の一覧から消える。拠出の一覧からも消える。画面の上では、それで終わっている。印には日付が無い。いつ外したのかも、いつ終わったことになっているのかも、どこにも残らない。

月の拠出は、月末に一度まとめて計算する。計算は、走らせたその時点の印を見る。だから、月の半ばで雇用が終わって、印を外すのが翌月の初めになった人は、終わった月の拠出に残る。もっと悪いのは、その次の月も残ることだ。印が外れるまで、毎月、その人の分が出続ける。

4社ぶんを数え直した。合わせて四十人ほどの給与を、うちのソフトで計算している。5か月のあいだに雇用が終わったのは九人で、そのうち六人が、終わった月の翌月以降も拠出の一覧に残っていた。残っていたのは合わせて 14か月分。事業主負担は一人あたり月に 1,400ペソから 1,900ペソのあいだで、足すと 23,160ペソになる。

残らなかった三人は、月末の計算より前に印を外してもらえた人だ。つまり、正しいかどうかは、手続きの速さで決まっていた。しかも、もう払っていない給与から本人の負担を引くことはできないので、出てしまった分はそのまま事業主の負担になる。給与の一覧と拠出の一覧は別の画面で、人数が合っているかを見る場所は、どこにも作っていなかった。

逆向きの間違いも、同じところから出ていた。月の途中で入った人の拠出を、我々は日割りで出していた。給与を日割りで計算するので、同じ考え方をそのまま当てていた。制度のほうは、月ごとの等級で決まった額で、日割りでは無い。月の途中で入ったのは五人、日割りで出していたのは 7か月分、本来の額との差は合わせて 4,310ペソだった。

直しは3つに分けた。1つ目は、印をやめて、雇用の期間を日付で持つことだ。始まった日と、終わった日。拠出の計算は、その月の末日に雇用が続いていたかどうかを、日付で見る。いつ入力したかは関係ない。先月の分を今日入力しても、答えは変わらない。

2つ目は、拠出の日割りをやめた。その月の等級の額をそのまま出す。日割りにするのは給与だけだ。人の感覚では、半分しか働いていない月は半分でよさそうに見える。制度はそう作られていないので、感覚のほうを画面から外した。

3つ目は、人数を突き合わせる画面を作った。月ごとに、給与の対象人数と拠出の対象人数を並べて、合わない月を上に出す。過去の月も全部出す。電話をもらう前に、こちらで気づけるようにしたかった。今は、合わない月が 0か月で並んでいる。

私が取り違えていたのは、状態と出来事のちがいだ。印は「今どうなっているか」しか言えない。過去の月を数え直す必要が出た時点で、今しか言えないものは使えなくなる。雇用が終わったのは出来事で、出来事には日付がある。期間を日付で持てば、どの月の末日についても同じ答えが出る。制度の額が変わっても、国ごとに仕組みが違っても、この形は効く。止め忘れが重いのは、どの制度でも、止めるのが事業主の側の仕事だからだ。

2日で終わると見積もって、8日かかった。期間を日付で持ち直すのは 3時間だ。残りは、4社ぶんの 5か月を全部開いて、動いた月を事業主の方と一緒に見る時間だった。出てしまった 23,160ペソは、こちらのソフトを直したから戻ってくるというものではない。どう扱うかは、各社が会計士の方に相談している。我々ができたのは、何月の誰の分がいくら多かったかを、1件ずつ紙に出せる形にすることだけだった。

ひとつ断っておく。私は税理士ではない。これは自社のソフトをめぐる作業の記録で、拠出や届出の制度の説明としては足りない。止める時期や納める額の判断は、必ず専門家に確認してほしい。

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